先日、自分を知るには、他人に聞いてみるのも一つの手かも?と書きました。
他己分析というものですね。
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他人からどう見える?
こちらは、東京大学の2015年の英語の入試問題だそうです。 この絵を見て、どう思われましたか? この絵は、一体何をあらわそうとしているのでしょう? Contents 【自分がわからない】 ...
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けれども、人に相談するのは、怖いものです。
厳しい意見に傷つくかもしれない・・・
今日は、人の話を「聞く」ということについて、考えてみたいと思います。
【自分がわからない】聞くということ
聞くって、簡単そうでいて、実は難しい・・・と、感じます。
先入観ですとか、自分の言い分ですとか、そういったノイズを通して聞いてしまっている・・・
解釈をしながら、聞いてしまっているのですね。
自分の思い込みから抜け出して、純粋に聞くには、どうしたらよいでしょう?
ミヒャエル・エンデの『モモ』から考えてみます。
小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。・・・
モモに話を聞いてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。
モモがそういう考えをひきだすようなことを言ったり質問したりした、というわけではないのです。
ただじっとすわって、注意ぶかく聞いているだけです。
その大きな黒い目は、あいてをじっと見つめています。
するとあいてには、じぶんのどこにそんなものがひそんでいたかとおどろくような考えが、すうっとうかびあがってくるのです。・・・
こういうふうにモモは人の話が聞けたのです!
ミヒャエル・エンデ(大島かおり訳)『モモ』(岩波書店、2010年)
モモは、いわば、相手のなかにすっかり入りこんで、その人の考えや、その人のほんとうの心を理解することができました。
聞くというのは、相手をまるごと受け入れる態度のことなのですね。
自分の思いは脇に置いておいて、相手のことを考える。
それが、聞く能力のようです。
【自分がわからない】傷つかないために
相手の意図のなかにどっぷり入りこんでいるとき。
自分のことは考えていません。
相手の立場に立って、
なぜそんなことを言うのだろう?
どうしてそう思うのだろう?
改善するにはどうしたらよいのだろう?
と、考えてみたら、相手の本心が見えてきます。
本心を理解してもらえたら、相手はよろこびますね。
その両者の共感から、ポジティブなものが生まれてくる。
創造的行為の現場になるのですね。
聞くことは受動的な行為ではない、ということなのですね。
聞くことで、新しい何かがつくりだされる。
つくることを意識して、前向きな態度で臨むこと、のようです。
そうして、自分が無になっているとき、傷つきません。
【自分がわからない】まとめ
今日は、聞くという行為から、自分について考えてみました。
- 相手の話を聞くとは、単に耳を傾けることではなく、相手のことをまるごと受け入れようとする態度のこと。
- 前向きな態度で、相手に共感しているとき、傷つくことを怖れていません。
聞く力は、共感力。
相手との共感から、新しい自分をつくってゆく。
とらえ方次第で、聞くことも怖くなくなります。