自分を知る

シュタイナー幼児教育から、自分を知る

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【自分を知る】息子の保育園にて

息子が近くにあるシュタイナー保育園に入りたてのころ。

用務員のおじいさんが話しかけてくれました。

 

「この保育園はいいよ。

ここは本当に自由にさせとくんだ。

こんな木の高いとこさ登っても、だれも大人が注意しないんだ。

普通の幼稚園なら、ダメだって怒られるのによ。

だども、今までだれも木から落っこちて怪我をした子どもはいねえんだ。」

 

横で、ドサッと音がしました。

うちの息子が木から落ちた音でした。

 

シュタイナー教育(シュタイナーきょういく、ドイツ語 Waldorfpädagogik英語Waldorf education)とは、20世紀はじめのオーストリア哲学者神秘思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱した「教育芸術」(独:Erziehungskunst)としての教育思想および実践であるヴァルドルフ教育を、日本で紹介する際に名付けられた呼称のひとつである[1]。シュタイナー教育では、教育という営みは、子供が「自由な自己決定」を行うことができる「人間」となるための「出産補助」であるという意味で、「一つの芸術」であると考えられている[2]

出典:ウィキペディア シュタイナー教育

 

【自分を知る】美しきシュタイナーの世界

子どもに怒らないこと。

早くしなさいと急かさないこと。

シュタイナーの幼児教育では、そう言われます。

息子が通うシュタイナー保育園でも、先生方がそのように子どもに接していらっしゃいました。

 

お外遊びの時間になったのに、まだお部屋の中で遊びに夢中になっている子どもがいました。

先生は、その子に歌いながら呼びかけました。

たっ、たっ、たっ、たっ、たーろうさーん♪

というようにです。

すると、驚いたことに、子どもも歌いながら応えました。

もーいっくよー♪

 

普通なら、「たろうくん!お外の時間ですよ。早く行きなさい。」と言うところでしょう。

こんな風に歌で呼びかけるなんて、なんて美しいんだろうと感心したものでした。

 

【自分を知る】泥沼の子どもたちの世界

さて、優雅にお歌で応えたたろうくんが、お外に出て遊びはじめたら、どんな世界が待っているか・・・

弱肉強食の世界です。

 

おもちゃの取り合いっこ。

泣き叫び、引っ掻き、押し合い・・・

大人は基本的には見守っているだけです。

もちろん、怪我になりそうなときには、間に割って入りますが。

 

わたしが驚いてしばらく様子を見ていますと、その子はひとしきり泣いた後、またケロッとして遊びに戻ります。

先ほどいじめられた子どもとも、また仲良くなって、一緒に新しい遊びをはじめて笑い合っています。

 

ここの子どもたちは「せんせい」と泣きつきに行ったりはしません。

みな自己解決しています。

 

【自分を知る】子どもの観察から、自分を知る

【自分を知る】美と醜のはざまで

先生方が作りだす、温かな世界。

子どもたち同士の、野生的な世界。

保育園で繰り広げられる、この2つの世界のギャップに驚きました。

 

そして、それは個人の中にある心のあり方の縮図でもあるようです。

 

本能的に行動しようとする自分。

子どもは、欲しいおもちゃが目に留まると、たとえお友だちが使っていても、手を出します。

 

それと同時に、理性的であろうとします。

それでもやっぱり、お友だちと仲良く遊びたい、と。

 

そんな2つの矛盾する衝動を、わたしたちは同時にあわせもちながら、一個の人格を形成しているのですね。

 

【自分を知る】本当の自分を知る

わたしたちの意識は、いわば、垂直方向に異なる次元をもつ多層構造をしているように思われます。

自分一人の、本能的な欲求に突き動かされている意識の次元。

そこから、他者との関係性のなかから自己実現を図ろうとする次元。

そして、その上には・・・、と。

 

思考する力によって、意識が拡大してゆく。

さまざまな経験とともに。

 

とすれば、毎日毎日のこの経験が、本当の自分への一歩となってゆくのですね。

 

【自分を知る】まとめ

今回は自分を知ることについて、シュタイナー保育園の現場から考えてみました。

 

先生方が作りだす、子どもの善意に働きかける美しい世界。

子どもたちが繰り広げる、ワイルドな弱肉強食の世界。

この2つの世界を行き来しながら、子どもたちは、自らの理性的な在り方を身につけてゆくのでしょう。

 

大人であるわたしも、自分の本能的な欲求を克服しながら、調和のとれた人格を目指して歩みたいものです。

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うめとも

田舎で農家のパートをしながら、やんちゃな一人息子の子育てに励むシングルマザー。息子の成長とともに、自分のキャリアを再び考え始める。ドイツ哲学が好き。

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